12月 302004
空気が氷のようで、触れる場所全て痛い。
路地は雪で覆われ、見える場所全て白い。
足を上げると、足に雪が乗り、
足を踏みしめるば、苦しそうに雪が鳴く。
息を吸うと、凍える鼻先。
息を吹けば、道に白い花が咲く。
全て同じ色、モノトーンで統一された町並み、
何も救いもないような、凍てつく街路。
耳門に懸けたイヤフォンから流れ出す音楽が、
眼前に光を灯し、情景へと変わる。
計算された、無機質な構成。
変わる調子、情緒的なメロディ。
拙い演奏、揺らぐリズム。
街に灯る小さな光が強さを増して、音楽に合わせて色彩を変える。
僕の世界を変え、半径数Mの空気を変えてしまう。
全てはこの音楽のために。この曲のために。
何のことは無い、2年通い続けた道で、
胸震わせ、眼潤わせ、心満ちあふれる。
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