3月 232005
 

姫君
文庫出てたんだね。


山田詠美はそれまでも好きだったけど、
僕は彼女の何も読んでいなかったのかもしれない、と思った。
それまでエイミー(山田詠美と呼び捨てにするのもなんだし、様を付けるのも違うし、先生とも違う。エイミーと読んでいるけど、これは敬称だと思っている)を、単純に自分の中の心理(理想)をストレートに表現し、自己を極々客観視し、淡々と綴っている作家だと思っていた。
でもこの作品でそのイメージががらりと変わった。
なんというか、平手打ちを食らったというか。
この本に短編が苦手だったのも変えられてしまった。
あっさり終わってしまうというか、「オチ」にストレートに向かう作品はとても読めなくて。
落語もオチには向かっていくけど、その周りの人間模様だったり仕草だったり細かい設定だったりが絡んで、オチに向かっていくことを意識させないまま、オチてるってのがいいのだと思っていた。
ただこの本で短編への印象が変わった。いや、エイミーの短編というジャンルなんだろうか。
泣きたいときとか、切ない話に飢えたとき、この本を開く。
ハードカバーは妹に謙譲奉ったが、文庫本は手元に置いておこうと思う。
最近文庫本になるスピードが速くなって助かる。
sakuma>
これ男女2人の短編なので劇にしやしーかも。

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 Posted by at 16:57