2月 122007
 

ソロ―単独登攀者・山野井泰史:
ある人に関する著作を一気に読みました。
その第1弾。
(読んだ順番にエントリーしています)


 
 
 
山野井さんを初めて知ったのは、情熱大陸を見たとき。
その壮絶というか、本当に山に懸けてる感がすごくて。
番組内で山での遭難の話を飄々と語り、
山登りをすることは、息をすることと同じと語り、
山登りを知ってからというもの、ずっと発狂状態だと感じ、
氷壁を登るときに小学生のように「がんば、がんば」言いながら登り、
昔登れた岩壁を、指を失うことで登れなくなったシーンで、一閃吼えている・・・
そんな彼のことをすごく知りたくなりました。
この本では多くの登頂記録、失敗の記録が記されています。
失敗に関しては、他者の記録の方が真実に近い気がして、面白かったです。
登頂の記録も、登頂時の心の動きなどが取材の時に話されたコメントだけではなく、そのときの話している様子から著者が感じた部分を含めて書いてあり、脚色めいた部分はあるものの面白かった。
著者も私と同様に「彼の事を記したくなった」というがモチベーションだったため、私にとっては興味深い方向性でまとめられていたのが良かった。
彼の哲学や「何を考えていたのか?」という部分が克明に記録されている部分が。
この本の中で著者は、彼の山に対する哲学を、こう結論付けている。
「彼は山というものを信じている。」
山を登るということを、救いにしているし、絶対的な存在として、山々を捉えている。
だからこそ多くのピークに挑戦することで、自らを知る。
自らを高めるために、多くのピークを目指すのだと。
そういう風に信仰できるほど、仕事を信頼できたらいいなぁと、
素直に思いました。いい本でした。

Share on Facebook

 Posted by at 23:42