5月 252010
 
“セル生産方式で一番重要なことは、働いている労働者の人間性を少しでも尊重できる点にあるのだ。これが金氏の最大の論点である。労働者を、単なる「コスト」として、取り替えのきく「部品」として見るのではなく、一個の人間として遇すること。人間性の向上と生産性の向上がともに目標であること。これが日本メーカの生き残る途ではないかというのである。
現在、日本にいる5400万人の就業人口のうち、約1/3は非正規従業員である、と言われる。非正規従業員は、同じ工場で同じように働きながら、食堂でも休憩所でも、社員とは口をきかないことが多い。それが、私たちの社会の現状なのである。ここに、まともな「意欲」が存在するだろうか。それが日本社会のあるべき姿だろうか。人を人として遇することが、当たり前になる日を目指しつつ、金氏は今日もセル生産方式とカイゼンを説いて回っているのである。”
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